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「黒ワニとハーモニカ」別館 バンダイがマーズジャケットをプラモにしてくれるのを待つ日記

ロボットアニメをわりと好むヲタによるブログ。 たまに少しだけ防衛問題について喋ったりもします。 あとパワードレッド・ドレッドノートHのプラモ化と、コトブキヤが有澤の雷電をプラモにしてくれるのも待ってます。

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「機動戦士ガンダム公式設定資料集 アナハイム・ジャーナル」

 ガンダム世界でuc0099年に出版された、アナハイム・エレクトロニクス関連特集の雑誌という体裁の設定資料集。

「『シャアの反乱』時に5THルナが落ちて消滅したチベット・ラサの文化遺産復興計画開始」
「ザビ家由来の品であるデギン・ザビが末子のガルマに送っていたビデオメールがオークションに出品され、現代史家から注目を集めているが一年戦争の遺族会から強い反発を買っている」
「シドニー・クレーター内部で魚群が発見され、生態系が再生しているのが確認された」

 といった架空のニュース記事から始まるあたりかなりの本格派。ここでまずニヤリと出来る人なら買いだがそうでないならやめておけって感じ。
 ニュース記事ではほかにも「地球不法居住者の摘発強化。しかし連邦官憲による拘束された不法居住者の待遇が問題に」という閃ハサへの伏線とも読める記事があったりして面白い。

 月ー地球間の往復シャトルのインテリアが改善されたというコラムや、コロニー「フランチェスカ」*1の観光宣伝案内といった架空の「それっぽい」一般記事が続いた後、カイ・シデンによるメラニー・ヒュー・カーバインへのインタビューが出てきます。

 カイは痛烈なアナハイム批判本を書いたことでAE社から非常に悪印象を持たれているという話から始まり、デラーズ紛争への関与、とくにGP02Aについて問いただされるくだりやメラニーの生い立ちについての話で難民として国を焼け出され、中国の香港にたどり着いてアンドリュー・ルオ*2に拾われたという話が目をひく対談。
「(国を焼け出されたときのことは)覚えていないし、話したくもない。君だってサイド7を焼け出されたときの話なんかしたくないだろう」と応えるくだりがなぜか印象的。
 全体の流れとしてはアナハイムの「死の商人」っぷりを批判するカイとそれをかわすメラニーという流れか。
対談の中では「君たちジャーナリストは宇宙移民への差別などと書き立てるが、実際にはギレン・ザビの妄想とはまったく違った意味でスペースノイドは一種のエリート、テクノクラートなのだ。地上にはコロニーにも住めない無学で貧しい人々がたくさんいる。ジオンやそのバカ息子はそれを理解せず「重力に魂を引かれた人々」として切り捨てたのだ」というメラニーの弁がもっとも印象に残る。確かにそういう見方もありかもしれない。

 ちなみに最後にカイのプロフィールが載っているのですが、「一年戦争後は社会復帰プログラムの援助を受けてベルファスト大学でジャーナリズムを学んだ」というくだりにニヤリとした。ベルファストの大学ね……

 その次は普通のメカ話で「Z計画」のテクノロジー的歴史記がつづられています。「世界の傑作機」や「オスプレイ・イラストレイテッド」的な文章なのでこの種のメカトーク好きにはこれまた面白い記事。ただあくまで文字設定がメインで設定画は見られないので注意。
挿絵のリガズィは駒都えーじが描いてます。女の子描くまでもなく塗りが独特なので一目瞭然だ(笑
 ところでこの「Z計画」特集記事、冒頭に「チベット・ラサで夕日を見上げるZ計画関連機」という写真が載ってるけど、この後姿はEx-Sか?
でもEx-Sが地上に降りたことはなかったはずなんだが……

 その次は月の町工場の記事が2つ。
最初はジェガンを生産するフォン・ブラウンの工場を取材した記事で、文中では「エレドア・マシスの古いヒットナンバーを流しながら作業する工員」なんてセンテンスも。そうか、エレドアはあの後メジャーになれたのか。

2つ目はMS用の光ケーブルを作る中小企業を取材した記事。
「一年戦争直前ごろ、ワイヤレス技術の発展で青息吐息だったところに何やら怪しいとしか思えないケーブルの大量発注が『サイド6の商社のもの』と名乗る人間から舞い込んできて、ありがたいと思いつつも何に使うんだと聞いたら『変り種の作業ポッドを作っている。……あ、もし他の客がこれを買いに来たらそのことを教えてくれ』と言われた。あとで分かったことだがこの客は連邦軍の技官と情報部員であった(戦後に本人たちがあっさり認めた)」みたいなやけに凝った内容。
「シャアの反乱」当時にジオン系の光ケーブルに興味を持って自分の会社製のものとどう違うんだろう、と前述の連邦軍技官(一年戦争以来14年の付き合いになってたとか)に頼んだら、一ヵ月後にギラ・ドーガ一体まるごと寄越してきて腰を抜かしたというエピソードは笑った。
記事中ではその社長が「うちは戦争が終わった今でもなんとかやっていけているが、0080年代にハデに設備投資したメーカーさんはかなり苦しいのではないでしょうか」「このままでは10何年かしたあとに『あの時代の高性能はどうやって造っていたんだろう』ということにもなりかねません。助成金制度なりなんなりの対策が必要だと思います」と語っていたりして何か異様に「それっぽい」。
 あとで気づいたんですが、この工場取材記事は賀東招二が書いているとのこと。道理でいやにそれっぽいと思った(笑

 もう一つ賀東招二が書いた記事があって、本人いわく「ロッキードのスカンク・ワークスの話もどき」というアナハイムの開発事業部歴史記。
GP計画にまつわる数々の逸話は非常に興味深く、中には設定マニア向けのトリビアに留まらない、本編の直接的な裏事情トークもあり0083の裏話として非常に面白い。
おまけに読んでいると「ブラッシュ社の担当者と新型ビームライフルのコンデンサについて口論していた」という一文があって吹いた。「ルンガ沖砲撃戦」の話まで出してきますか、賀東。
 賀東招二の記事は歴代オフィシャルガンダムキャラが色々なところで顔を出す(上のエレドアの話以外にも、GP計画がコケて冷や飯を食わされていたところにブレックス・フォーラと会って云々、という話が出てきたり)ので読んでいて楽しいです。

 まあそんなわけで、この種の設定トークを見るのが好きなガンダム好きなら買いです。この濃度で1800円は安い。
アマゾンのレビュー見て避けていたのがあほみたいだった……
 ただし、文字資料メインで設定画は少ない(というよりない)ので期待どころは間違えないように。
またアナハイム特集という体裁のムックなので非アナハイム関連はまったく話題に上ってこない点も注意。

……ただ個人的不満がひとつあって、νガンダム建造については完全にスルーされてるのがなあ。
あのダテじゃない奴がガンダム世界の技術史において一大キーポイントであることは周知の事実だし、アナハイム的にも結構ビッグな出来事だったと思うのだが。
―――――――――――――――――――――――――――――――――
*1……「0080」でルビコン作戦失敗後、バーニィがサイド6から脱出しようとしたリゾートコロニー

*2……「Z」劇中で登場したルオ商会の先代の長であろうと思われる
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