「黒ワニとハーモニカ」別館 バンダイがマーズジャケットをプラモにしてくれるのを待つ日記

ロボットアニメをわりと好むヲタによるブログ。 たまに少しだけ防衛問題について喋ったりもします。 あとパワードレッド・ドレッドノートHのプラモ化と、コトブキヤが有澤の雷電をプラモにしてくれるのも待ってます。

「ドイツ基本法と安全保障の再定義―連邦軍「NATO域外派兵」をめぐる憲法政策」松浦一夫

メモの続きとして。

「現在、冷戦後の国連に平和維持機能強化のため貢献が求められ、それを果たすことが主要加盟国の国際的責任であることはいうまでもない。しかし、平和維持機能活性化のため、国連活動への兵力提供が『政治的に』望ましいとしても、これが『憲法上』許されるか否かの問題に答えたことにはならない」206p

なぜこういうことが分かる人間が自民党の安保法制合憲論者リストに名を連ねているのか、よりにもよって八木秀次と同じリストに並ぶ不名誉に陥っているのか理解できなかったが、結語のあたりでようやくその回答になりそうな記述を見つけた。

「従来のわが国の政府見解では、『武力行使の目的をもって武装した部隊を他国の領土、領海、領空に派遣する』海外派兵は禁止されており、集団的自衛権による派兵はもとより、国連安保理決議の授権による制裁行動も特別協定締結による国連軍への参加も、すべて一律に『自衛のための最低限度を越える』武力行使として禁じられるものと解釈している。したがって集団安全保障としての制裁行動への参加であっても、現在の政府見解を維持する限り憲法違反ということになる。しかし、武力行使をその目的・効果によって区別せず、不戦条約以来禁じられる『国際紛争を解決する手段』としての武力行使も、国連憲章に容認される集団的自衛権行使としての武力行使も、さらには国連の集団制裁としてのそれも一括的に排除する政府見解の趣旨は、法律論として理解できないし、また政策論としても疑問である」

つまり元々の政府解釈に批判的な立場だった、ということになる。
それで合憲論者に回っているのかという意味では納得はいったが、この3つを法理上区別しないのがおかしいという点には同意できるが、個々に見ていっても結局現行の憲法下ではどれも難しいことには変わりないのではないかと評者は考える。

それはともかく、ドイツも安全保障環境の変化とそれに伴う政策の変遷、およびそれに対する憲法の制約という問題に必ずしも筋を毎回通してきたわけではないということが分かる。
(だから第二次安倍政権の政策も問題ない、という意味ではないので念のため)
この本の著者も法的な筋を通すべきところを通さず、憲法裁に丸投げしたドイツ政府の選択について否定的に書いているように思う。
特に連立与党内の政権党が政府に対して違憲訴訟を起こすというのはまったくわけがわからないとしか言いようがない。

インターネットのどこを調べてもレビューがなく内容が全くわからないまま購入したが、非常に得るところの多い良著だった。
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