「黒ワニとハーモニカ」別館 バンダイがマーズジャケットをプラモにしてくれるのを待つ日記

ロボットアニメをわりと好むヲタによるブログ。 たまに少しだけ防衛問題について喋ったりもします。 あとパワードレッド・ドレッドノートHのプラモ化と、コトブキヤが有澤の雷電をプラモにしてくれるのも待ってます。

「これが破防法だ」奥平康弘

元はツイッターでBeriya氏がたまたま「IS(イスラム国)が日本にいたら5秒で破防法適用されるよね」という誰かのツイートをリツイして話をしていたのを横で聞いた評者があれこれと口出ししているうちに「で、結局破防法って具体的になんなの?」という疑問を抱き、アマゾンにて購入した資料。

まずこの法案を適用するのは警察ではなく、法務省の外局である公安調査庁であるという基本的な事実を確認できただけでも大いに勉強になった。

またこの法律が憲法上(というより西洋的な近代社会上)重大な問題をはらむものであることはよくわかった。
行政措置としての団体規制を定めた部分と、特別刑法としての刑事罰を定めた部分の二種類を含む法律だが、後者の刑事罰の定め方だと、あくまで一般刑法は罪を実行してから初めてそれが問われる応報性を持つが、破防法で定められたせん動罪は「特定の行為を実行させる目的をもつて、文書若しくは図画又は言動により、人に対し、その行為を実行する決意を生ぜしめ又は既に生じている決意を助長させるような勢のある刺激を与えることをいう」。
つまりこの場合、まかれた文書(例えば宣伝ビラ)を見た人間が、実際に犯罪を犯すまでもなくただ「刺激を与える」だけですでに罪として成立する。
先述の一般刑法の原則である応報性ではなく先制攻撃的であり、そもそも言論の自由に挑戦する規定であるように感じる。

また行政措置としての団体規制についても、これが一度適用されると適用団体の構成員は団体のためにいかなる行動もしてはならないと定められ、さらにその禁止を免れる行動をすることもしてはならないことになっている。
要するに団体としてのあらゆる政治的自由権が完全に剥奪されることになる。
実際にオウムへの適用ガイドラインとして公安調査庁が作ったものを見ると「麻原の教義を他人にそのまま伝えた場合違法」というどう考えても信仰の自由を全否定する文言が踊っている。
通常の刑法の範疇で対処すべきで(実際連合赤軍もオウムも破防法の団体規制なしに無力化できている)、適用されない方が良いのは疑いない。

ただ要所要所で著者の政治的姿勢を非常に疑いたくなる記述が多い。
まず大前提として「権力は絶対的な悪であり、常に警察国家の復活を狙っている」という発想ですべて書かれている。
また公安調査庁の「中共」「日共」という呼び方に政治的差別感が込められており問題だとしているが、96年出版の本なのに「麻原氏」「麻原尊師」「尊師」という表記で麻原を呼ぶことのほうがよほど問題ではないか。
また日本共産党をさして「暴力主義的破壊活動を行ったことはない」としれっと書いている。

内容はある程度具体性があり参考にはなるが、別の専門家の意見も聞いてみたいところ。

以下余談。
「恐らく何の活動もせず懇親会と称して税金を無駄遣いしている公安調査庁の活動実態も、情報開示請求権が法的に保証されていない日本では国民にはわからない」という記述が出てくる。
開示請求権を定めた情報公開法はいつだったかと思ってwikiで調べた所、99年。
「政府が自主的に開示した情報でしか政府の活動が国民に知らされない」というの、70年前の話じゃなくてたかだか20年前の話なのか……
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