「黒ワニとハーモニカ」別館 バンダイがマーズジャケットをプラモにしてくれるのを待つ日記

ロボットアニメをわりと好むヲタによるブログ。 たまに少しだけ防衛問題について喋ったりもします。 あとパワードレッド・ドレッドノートHのプラモ化と、コトブキヤが有澤の雷電をプラモにしてくれるのも待ってます。

機密保護法関連その2

軍機保護法(戦前秘密保護法制)の解説と現在自民党が出している秘密保護法案の全条文をようやく手に入れたのだが、以前述べた「機密指定していい情報に対する規定はあるが、してはいけない情報に対する規定がない」という旨について。

「当該行政機関の所掌事務に係る別表に掲げる事項に関する情報であって、公になっていないもののうち、その漏えいが我が国の安全保障に著しい支障を与えるおそれがあるため、特に秘匿することが必要」でなくなった情報は機密指定の期間内であってもただちに公開しなければならない旨が規定されている。

軍機保護法との類似性を指摘するページも散見されるが、軍機保護法及びその関連法(国防保安法等)との違いはおおまかにまとめて3点。


まず軍機保護法の場合対象者が業務関係者以外にも、スパイ目的で情報を手に入れたもしくは手に入れようとした人間が対象と広い。
対して特定秘密保護法は業務関係者以外は脅迫や暴行、不法アクセスなどの不法手段で情報を手に入れた人間が罰則の対象と比較的限られている。

2点目は罰則で、国防保安法の場合罰則が大変重く「死刑または無期、もしくは3年以上の懲役」となっている。
これに対して特定秘密保護法は「懲役十年以下」。

そして最大の違いは国防保安法は「機密」の定義を国家機関が初めて指定して機密となる「指定秘」ではなく、「自然秘」の概念で作られた法律である点も異なる上、軍機保護法には機密指定の期間制限に関する項目は一切見当たらない。
これに対して特定秘密保護法はあくまで行政機関が指定することで機密扱いになることが明示されている上、通常の機密非開示は10年、最長でも30年と年数が限定されている。


また
この法律の適用に当たっては、これを拡張して解釈して、国民の基本的人権を不当に侵害するようなことがあってはならず、国民の知る権利の保障に資する報道又は取材の自由に十分に配慮しなければならない。

 2 出版又は報道の業務に従事する者の取材行為については、専ら公益を図る目的を有し、かつ、法令違反又は著しく不当な方法によるものと認められない限りは、これを正当な業務による行為とするものとする。

という規定があり一定の知る権利への配慮はある。

プライバシー侵害との批判が有る

二 犯罪及び懲戒の経歴に関する事項

 三 情報の取扱いに係る非違の経歴に関する事項

 四 薬物の濫用及び影響に関する事項

 五 精神疾患に関する事項

 六 飲酒についての節度に関する事項

 七 信用状態その他の経済的な状況に関する事項

という個人情報をチェックする適性評価については秘密保護法の基本的な概念を考えれば個人が信用に値するかどうかを調べることは避けられないので当然と考えるべき。
その適正評価も

 3 適性評価は、あらかじめ、政令で定めるところにより、次に掲げる事項を評価対象者に対し告知した上で、その同意を得て実施するものとする。

 第十三条 行政機関の長は、適性評価を実施したときは、その結果を評価対象者に対し通知するものとする。

 2 行政機関の長は、適合事業者の従業者について適性評価を実施したときはその結果を、当該従業者が前条第三項の同意をしなかったことにより適性評価が実施されなかったときはその旨を、それぞれ当該適合事業者に対し通知するものとする。

 3 前項の規定による通知を受けた適合事業者は、当該評価対象者が当該適合事業者の指揮命令の下に労働する派遣労働者(労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(昭和六十年法律第八十八号)第二条第二号に規定する派遣労働者をいう。第十六条第二項において同じ。)であるときは、当該通知の内容を当該評価対象者を雇用する事業主に対し通知するものとする。

 4 行政機関の長は、第一項の規定により評価対象者に対し特定秘密の取扱いの業務を行った場合にこれを漏らすおそれがないと認められなかった旨を通知するときは、適性評価の円滑な実施の確保を妨げない範囲内において、当該おそれがないと認められなかった理由を通知するものとする。ただし、当該評価対象者があらかじめ当該理由の通知を希望しない旨を申し出た場合は、この限りでない。


という規定があり、勝手に知らないところで個人の信用情報を調査されて結論を出された挙句自分はそれを知らない、というケースはありえない。


別表にて機密指定となる情報の分類規定も細かく限定されている上、機密指定が利益とならなくなった場合は機密期間内でも直ちに開示しなければならない旨が定められている等それなりに欧米諸国の類似法と比較しても遜色ないように思われる。

強いて言えば情報公開への意識が薄い点は挙げられるが、これは日本の行政のあり方に対する問題であって特定秘密保護法の問題点とは異なる。
総合的にはさほどの問題はないように思われる。
「半永久的に機密指定が続く」「無制限に機密範囲が広がる」といった批判は法律の規定に即していないように思う。

このエントリーを書く上で協力を頂いた友人の中村氏に感謝を。
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://kurowani.blog6.fc2.com/tb.php/1837-85ae1326