「黒ワニとハーモニカ」別館 バンダイがマーズジャケットをプラモにしてくれるのを待つ日記

ロボットアニメをわりと好むヲタによるブログ。 たまに少しだけ防衛問題について喋ったりもします。 あとパワードレッド・ドレッドノートHのプラモ化と、コトブキヤが有澤の雷電をプラモにしてくれるのも待ってます。

「暗闘 尖閣国有化」春原剛

民主党政権(野田内閣)と石原慎太郎東京都知事の尖閣国有化をめぐる駆け引きを扱ったドキュメンタリー。

米・中の反応や交渉も記されており、中国には「石原に買わせるよりは国で所有したほうがまだマシ」「あくまで日本国内で所有権が移転するだけ、領土や主権問題とは関係ない」という旨で説明するも最後まで理解は得られなかった、という。
米国も尖閣は日米安保の対象であることは明言しつつも日中間の問題への巻き込まれへの恐れや、「国際秩序を重んじない中国という国が相手であることを日本は理解しているのか」という疑念もあったことが述べられており、あまり事を荒立てるのは日米同盟にとっても良い影響は与えない、という印象を受けた。

春原は「積極的な行動は控え、辛抱強く、『中国が理不尽である』という国際的な世論・印象を作っていく」ことが日本の国益にとってもっとも良いと述べているが、これについてはまったく同意見である。

また春原氏は基本的に事実を淡々と書き、特定人物への批判はあまりしないスタイルだが珍しく石原の「尖閣を巡って戦争になっても日本が勝てる」という発言について、「石原は日頃からアメリカの核の傘の信頼性について疑義を挟んでいるが、日中間で紛争が起こるとして、それが日本が勝てるという小規模限定紛争になることを保証するのはアメリカの核の傘に他ならず、論理的な矛盾をはらむ」とやや踏み込んで石原について批判的見解を述べている。

またプロローグでは尖閣漁船衝突事件が扱われているが、「このぶつけられ方は公務執行妨害で刑事告訴にせざるを得ない」とする(前原国土交通相、当時)も、仙谷官房長官らは前原や岡田外務大臣(当時)と協議しつつ「刑事告訴になると長期勾留になって中国側を強く刺激する。中国側からはそれはやめてほしいと複数のルートから入って来ているが、日本の国内法上の手続きではそうならざるをえない」「いざとなれば指揮権発動しかないが、たかが公務執行妨害でやることではない」と外交上の問題と国内法上の問題の板挟みになってしまう姿が描かれており、これも興味深い点だった。

余談だが知米派・安全保障問題の専門家として出てくるのが長島昭久氏であるのはやはりといったところか。
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