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「黒ワニとハーモニカ」別館 バンダイがマーズジャケットをプラモにしてくれるのを待つ日記

ロボットアニメをわりと好むヲタによるブログ。 たまに少しだけ防衛問題について喋ったりもします。 あとパワードレッド・ドレッドノートHのプラモ化と、コトブキヤが有澤の雷電をプラモにしてくれるのも待ってます。

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「世界の艦船」08年6月号

海上自衛隊はどうあるべきか、という特集だが、今月号は実質自衛隊全体の問題を論じている。
その点では看板に偽りありだが、記述はかなり充実しているように思う。

●防衛庁改革について
 ・拙速は許されない。石破大臣の改革案として4つの幕僚監部を1つに統合するという案があるが、06年に発足した新しい統合幕僚監部は広報の弱さなど課題はあるものの、基本的には順調に進んでいる。あえて強引な統合案を進めるのは得策ではない。

 ・むしろ長年の課題である「文官統制」を最優先課題としてなんとかすべき。手本としてはイギリスの、国防大臣の下に第二次官・国防副参謀長をトップとする中央部局と統合作戦本部長をトップとする統合司令部が並列するといったようなシステムの組織への改変が良いのではないか。


先の新防衛大綱なんかは現在の「文官統制」、もっと極端な表現をすれば「文官優位、本来対等なカウンターパートであるべきな、文民長官を補佐する背広組・制服組間における、発生してはいけないはずの背広>制服という上下関係」が欠点が露骨に反映されてしまい、周辺国すべてが軍拡への道をひた走る中で一国だけ軍縮に望むという誤ったメッセージになりかねない暴挙に出たりもしている手前、これは本当に今度こそ石破大臣が在任のうちに果たしてほしい課題。GHQの顧問団であるF・コワルスキー大佐も「最終的決定権は文民(文官ではないことに注意)が有する、というだけで、制服は意見する権利を有しない、などということではない」と述べているのだが、実際の戦後の日本防衛政策史がそのような経緯を辿ることなく、海原治を代表とする旧内務省系の人脈や旧大蔵省から出向した参事官たちによって、過剰なまでに軍事的合理性が無視されてきたのは佐道明宏氏の著作にあるとおり。

閑話休題。
この「文官統制」批判、もともと文民統制と文官統制の違いや制服・背広の非対称カウンターパート化が問題視されている(上述のように、他国では文民長官下の背広と制服は対等・対称カウンターパートなのが普通。念のため)という点を理解していないまま、漠然と「制服が権力の拡大を求めている」とだけ解釈して、
「背広組の権限を絶対的に縮小することが解決策であって、それは制服組の権限を相対的にせよ絶対的にせよ伸ばすことを意味しません」
なんていう反論が出ていたりしたのには失笑した。文官統制批判論が求めているのはまさにその「背広組の権限の縮小であって、制服の権限の増大ではない」のだが。

●相次ぐ不祥事
 ・海上保安庁と海上自衛隊の間の溝はやはり根深い。

 ・イージスシステムの情報漏えいは、当時最新鋭のシステムの国外輸出を議会などの反対を押してまで行った米政府、特に米海軍からの信頼を失ったという意味で「あたご」衝突事件より重大である。

 ・一連の不祥事・事故は私見ではあるが、任務に対する人員の不足が大きいのではないか。

 ・周辺国が海軍を増強する中でわが国だけが削減しているという情勢は、地方隊の廃止といった編成替えだけではいずれ追い付かなくなる

2つ目はまったく同感。
イージス艦情報漏えい事件は米海軍からの厳重抗議を招き、米議会のF-22輸出不承認にも大きく響いている。
そのわりにあたご衝突事件ばかりがゴシップ的にクローズアップされ、情報漏えい事件はほとんど注目されていない。
漏洩した情報の中には現在の米空海軍の基幹通信システムであるリンク16に関するデータも含まれていた、という話まであるのだが……

4つ目、現在の日本の防衛に実務なり評論なり、なんらかの形で関わる人間はやはり必ず表明する危惧。見飽きるほど見てきたが、まったく見飽きないしこれからも見飽きそうにないのが非常に困った点としか言えない。

あまり「艦船」の内容はなく、今月は完全に組織論の話がメインだが、それだけに限られた専門書の中にとどまる問題提起を改めてこういう雑誌で行ったという点、非常に意義あるものではないかと考える。
興味があるならぜひとも購入して通読していただきたい。
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