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「黒ワニとハーモニカ」別館 バンダイがマーズジャケットをプラモにしてくれるのを待つ日記

ロボットアニメをわりと好むヲタによるブログ。 たまに少しだけ防衛問題について喋ったりもします。 あとパワードレッド・ドレッドノートHのプラモ化と、コトブキヤが有澤の雷電をプラモにしてくれるのも待ってます。

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「誰しもそうだけど、俺たちは就職しないとならない」秋田禎信/中川いさみ

長い上に微妙に痛いところをつくタイトルの新刊。
カナスピカから一転、よく知られているほうの秋田っぽい秋田の新刊。
 

  「ともあれ何があろうと、その場の空気、話者の嗜好、流行り廃りを敏感に感じ取って、すぐさま対応できなければ、クビだ」
  「クビまで?!」
  「当然だ。頚椎をいくぞ」
  「解剖学的に?!」
  「職場は無能な者を生かしておく余地などない」
  思わず言葉を失う俺をなだめるように、先輩は手を振った。
  ふぅと息をついて、ここが禁煙席でなければ一服したことだろう。窓の外、硝子一枚隔てられ、この過酷な世界を知らずに笑いながら往来を行き交う者たちに、ふと先輩の目線が泳いだ。その目は不思議と穏やかだった。
  そのことが俺の心を捉えたが、どういった質問をすれば適切か俺が思いつくより先に、先輩は話を再開した。
  「温情ある職場ならば労災扱いになる。死んだ者には関係ないが、遺族のためにな。思うにそこが文明的な職場かどうかは、遺族補償があるかないかの差でしかないな」
  聞きながら、俺は気づいた。
  そうか。先輩はただ戦っているだけではない。社会を守るために戦っているのだ。
  なんということだ。震えが走る。これが価値ある言葉というものか。
  俺の感動を余所に、先輩は淡々と続ける。


 
この本のノリを凝縮するとこの会話になるんじゃないでしょうか。
コルゴン同士の掛け合いというか、どこまでもボケ倒しのツッコミ抜き。「無能な者を生かしておく余地などない」の意味が根本的に違う、とか突っ込む人はこの本にはどこにもいません。
「株式会社渡邊抹殺」は相当腹がよじれましたとも。間違いなく無謀編を書いた男の文章だ、これは。

 
  「わたくしが以前、勤めていた会社を辞めた際、あまり詳しくは申せませんが、なんというか……非常に怒り狂っておりました」
  「とまれ、わたくしは渡邊を抹殺すること以外はまったく考えられない精神状態でした」
  「あの当時のことはまるで夢現のようで、思い出せないことも多いのですが、多分薬とカウンセリングのせいもあると思います」
  「なので会社の登記簿を作成する際、業務内容に『渡邊の抹殺』を掲げざるを得ませんでした」
  「正しくは『渡邊の抹殺、及びその後始末、祝賀会の手配、その全般におけるプロモーション』です」



いや、得ませんでしたと言われても。
本当にどうしてそれで国は登記を受け付けたんでしょうか。

そしてオチが。あんなオチかよ!
まあベンチャー企業(っぽいもの)とかスーパーギガテクノロジックハイパーロジカルサイエンス社(これタイプするために本を三回ほど確かめた)とか株式会社渡邊抹殺とか、そういう会社ばっか回ってて最後ちゃんと就職されてもそれはそれで反応に困りますし。
就職できませんでしたではそもそもオチてないし。
まあ最後ああなるのは必然だったんでしょう。いや、必然だったのかもしれません。


……この本のまじめな感想を書くというのは非常に困難なことだったが、俺はやり遂げた。
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