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「黒ワニとハーモニカ」別館 バンダイがマーズジャケットをプラモにしてくれるのを待つ日記

ロボットアニメをわりと好むヲタによるブログ。 たまに少しだけ防衛問題について喋ったりもします。 あとパワードレッド・ドレッドノートHのプラモ化と、コトブキヤが有澤の雷電をプラモにしてくれるのも待ってます。

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「我が国防衛法制の半世紀」 西修、他

日本の防衛法制に対する専門的解説書。
 
・第1章 憲法と自衛隊の半世紀ー政府解釈の問題点を中心に
 憲法を中心とした半世紀の概略史。
本当に概略史なので細かい答弁の引用による政府解釈の形成過程といった点を除いて、ある程度防衛法の展開を知っていれば特別目新しいものはないといったところ。
 
・第2章 戦後の国防・安保に関わる訴訟
 自衛隊違憲訴訟問題の歴史。
この分野には元々興味がない上のっけからネットウヨ全開なテキスト読まされたので
そのまますっとばしてしまいました。
 
・第3章 防衛二法制定の経緯
 最初客観的事実の記述から離れた主観的叙述で始まりますが後の内容は普通。
 ちなみに防衛二法とは自衛隊法と防衛庁設置法のことで、警察予備隊令・保安庁法から二法への発展の経緯が主な内容。
「戦力」への政府解釈形成で「必要最小限度の実力」という言葉を作ったのはかの辻正信だったというのは驚いた。
 
・第4章 防衛行政機構の発展
 法理・組織からみた防衛行政の仕組みの解説。
ごく最近の出版なのでつい最近ニュースになったことにも言及されており、参事官制度や付属機関の解説、自衛隊における統合体制のあり方の問題や防衛庁の省昇格問題などかゆいところに手が届く内容。
 
・第5章 安全保障環境の変化と自衛隊の任務の変質
 自衛隊の措置における法学上の作用に関する話で、警察法など他の国内法とのからみの中での論考。
少々ややこしい章。
 
・第6章 有事法制定までの道程と現段階
 戦後日本における有事法制の歴史について述べた1章。
「国家緊急権への規定がないのは権力による濫用を招きかねず、また憲法外の措置が行われた場合事後判断でそれを合憲とするのは法学上問題がある。ここに緊急権受権のための要件と制約を定めておく必要がある」と有事法制定の必要性を法学的にきちんと説明しているのみならず、ドイツの有事法を具体的に引用し日本の有事法制と詳細な比較が行われているという貴重な小論。
 個人的印象をいえば「更地である土地の軍事使用に際し所有者はそれを受忍する義務があり、森林・建築物のある土地は軍事使用に際し所有者の同意が必要。ただし有事には必要がある限り無制限に使用できる」というようなドイツの法制の方が日本より「軍事優先」に写る。
 
第7章 日米安全保障体制とわが国の安全保障法制
 周辺事態法やACSA、テロ対策法・イラク特措法など安保条約の周辺にある法への解説。支援要件や前提として満たすべき条件などへのきちんとした言及がある。
 
第8章 米国からみた対日戦争
 太平洋戦争に関連する訴訟など。
 
 全体的にあくまで法学的議論を貫いており、論壇でありがちなよもやま話的法律論を読まされる心配はありません。
著者の1人である浜谷氏の持論である「有事対処における議会関与の欠陥」という問題は周辺事態法等にも存在しているというのは見逃せない点。
防衛法に興味があればぜひお勧めしたい本。
  
 
 しかしこの本、俺以外に何人の人間が買ってるんだろう………
なんか日本全国あわせても40人いかないような気がする*。 【“「我が国防衛法制の半世紀」 西修、他”の続きを読む】
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