「黒ワニとハーモニカ」別館 バンダイがマーズジャケットをプラモにしてくれるのを待つ日記

ロボットアニメをわりと好むヲタによるブログ。 たまに少しだけ防衛問題について喋ったりもします。 あとパワードレッド・ドレッドノートHのプラモ化と、コトブキヤが有澤の雷電をプラモにしてくれるのも待ってます。

「家守綺譚」梨木香歩

相互フォロワーの朝陽遥氏におすすめを受け購入した一冊。
幽霊?が平然と掛け軸の中から何度も出てきて主人公・綿貫と会話をしていたり、「サルスベリに惚れられた」とぶっ飛んだ話が続くのですが、下手な説明をつけるより「とにかくそういうもの」としてゴリ推してくる感じ。実際読んでくうちに気にならなくなっていくし。

まずとにかく風景描写が圧倒的に美しい。これにつきる。癒やされるといってもいいくらい。
あまりに和むので一度に読んでしまうのが惜しくて2ヶ月かけて少しずつ読み進めたくらい。
ところで和尚が出てくるたびに本物か狸か疑う必要があるんですけど綿貫騙されすぎじゃないですかね。

また部屋の明かりをいじりながら「電気という奴はこれだから信頼がおけん。いつ止まるか分かったもんではない」と綿貫が酷評しているのがいかにも明治らしいなあと思ったり。

すげえいい本でした。


ところでどうでもいいんですが、柴田亜美の「ドギばぐ」を読み返しながら読んでいたのでゴローの外見が完全に茶壺で再生されてしまう。
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「ノーブルウィッチーズ」南房秀久・島田フミカネ

政治劇やスパイアクションメインのストライクウィッチーズシリーズ……という内容なんだけど、その政治劇がなんとも稚拙というか。
リベリオン大使がガリアの新聞で「他国の援護で枕を高くして眠る国」扱いされたのにキレるのを「欧州防衛に対する悪影響を与える偏狭」扱いしてるんだけど、物資や資金しか出してないならいざ知らず、実際にリベリオンはウィッチを始めとする人的資源もガンガン投入してるのに世論にこんな扱いされたら不愉快のひとつも覚えるだろっていう。
それを言うとそもそもちゃんと「血も流してる」リベリオンに向かってこういう皮肉を書いているっていうのからしてまず釈然としないんだけど。

あと本編からして「アムロがエースなのは1st後半やCCAを見れば分かる。イサムがエースなのもマクロスプラスを見れば一目瞭然。でもエーリカがエースっていうのはピンと来ない」っていう印象で見てきたのが、やっぱりこっちでもそうなんだよなあ。
具体的に言うと違うストライカー、違う武器、違うパイロットで戦ってるのにどうもあまり差別化されてない。

ただキャラは可愛い。
守銭奴ながらもAとBをつなぐ鎹であり、要所要所ではカッコいいところをきちんと見せてくれる那佳、ボーイッシュな謎ジョーク好きのアイザック君、クールビューティー姫君……というには感情の振れ幅が大きい姫様、むしろクールなのはこっちだろって感じのアドリアーナ、陽気なコーラ好きのカーラ、苦労人のジェニファー、そして隊長二人。
最初は那佳と姫様くらいしか覚えられなくて(506はどいつもこいつも名前が長すぎる……)無理やり読み進んでたけど読み返す内になんとか把握できてた。
あんみつ4リットル飲んで死んでたら一大不祥事だったぞ守銭奴!
でも506結成式で死にかかってでもウィッチ馬揃えに並んで見せる決意はホントかっこよかったぞ守銭奴!
故郷に書く手紙にも愚痴一人こぼさないしメンタル面でもこいつ強いよな。左右で違うストライカーで飛べるとか技量もあるし。

最新刊で隊長じゃなくなったグリュンネ少佐がめっちゃウキウキしてたのは草生える。
「隊長の判断に任せましょう!……これ一度言ってみたかったのよねー」とか。

ブレイブもなんだかんだで面白くなってきたし、次はこっちやりませんかね?

「ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った? Lv.12」聴猫芝居

ネトゲもの(それもSAOみたいなSF的なものではなく)なのでネットスラングガンガン入れてもなんらおかしくないってのはうまいとこ突いたなと思いつつ。

こいつらホント仲いいよなあ。それでもいつか別れは来るかもみたいな話もありましたが。
アニメBD特典のキャラコメ見てても感じるんだけど、ルシアンはアコがいなくても他の面々とも気が合って一緒に遊んでるし。アコもルシアンいないとこでも遊んでる感じがちゃんとあるというか。
ただ時々ルシアンがシュヴァインのこと本名で呼んでるのは大丈夫かこれってなる。

あんまり書くことないんですが、良い意味で書くことがないというか話に起伏をつけるための無理やりシリアスがないってのはこんなに気軽に読めるんだなっていうか。
本当に純粋にネトゲを楽しんでる感があっていい。実際のネトゲプレイヤーから見て違和感のないゲームであるのかどうかはわかりませんが。

「ネトゲの嫁は女の子じゃないと思った?」聴猫芝居

まずこれ、ネトゲのギルメンが主人公のルシアン以外全員女だった!という男にとってのご都合主義的なハーレムラブコメになるのかなという導入なんですが、実際にはむしろ女性陣(特にメインヒロインのアコ)にとってご都合主義的な展開だったっていうギャップが面白い。
どうしてもゲームが下手でいつまで経っても上達せず、やがて一緒に遊んでくれていたプレイヤーもアコを見捨てていくけどルシアンだけは絶対に見捨てなかったというのは惚れる上で非常に説得力ある。
それでルシアンはただアコの世話を焼かされるだけで損しかしてないのかというと、「こいつとは気が合う」「なんでもないことで話が盛り上がる」「癒される」とルシアン側からの好感度も高いという。

基本ルシアンはアコ一筋で他のヒロインにコナかけないので、ヒロインレースにまつわるあれこれとほぼ無縁なのもありがたい。
それでいてシューやマスターが負けヒロインとして不遇をかこっているのかというとそうではなく、れっきとした同じ部活の同じネトゲ仲間として非常に仲良くゲームをみんなで楽しんでる。この「友達」感がすごくいい、
わけてもルシアンとシューの相棒としての距離感が非常に気持ちいいんですわ。

アニメでは3巻の攻城戦で終わったんですが、バッツさんの裏切りのシーンで「だまして悪いが仕事なんでな、死んでもらおう」というACパロディ台詞を完全カットしたもんで余計なヘイトを稼いでしまいました(この台詞があれば「ああ、そういうACパロの裏切りロールプレイだな」と1発で分かる)が、あいつもあいつでゲームを楽しんでるなー感あって結構好きなんですよね。
あと、アニメのあのシーンについてはシューの3連続強判定攻撃に対して全段カウンター入れて「マジで?!あんなの聞いたこともねえぞ!」とルシアンが驚愕するシーンがなくなってて、プレイヤースキル関係なく単にレベルと装備でゴリ押しただけみたいになってるのもなぁ……

余談ですが、珍しく商業作品でアーマードコアパロディが随所に見られるのも俺にとっては嬉しい。

「ハルコナ」秋田禎信

「面白い」とかそういう観点から論じるような作品ではない感じ、「機械の仮病」にも通じるけど、あれよりはもっと直截な皮肉というかあてこすりというか示唆というかまあそういうもっと突きつけられるなにかを感じる。

・「レスポンチバトルを延々としているうちにいつの間にか自分の骨の髄までそういうものが染み付いた」という貴族の話が他人事じゃなさすぎる……

・「いちいちそんなものをまじめに取り合うな。ブタの鳴き声だ」「話の分からない奴でもじっくり真面目に話をすれば分かってくれると思ってねえか?ねえぞ。分からねえ奴は一生分からない」
こういう感覚を俺も身に着けたい。

・この作品の言わんとすることをもっとも端的に表してるのは最後のガーディアンズに対する遠夜の
「怒るのは仕方ないけど、怒りっぱなしで止められないならそれは病気だ」
だと思う。

長くはないけど、感じ入るものはたくさんある。そんな作品。